それは揺り籠の中の約束された安全の中での自由でしかなく、
空の色も地面の匂いも知らないまま首輪をつけられて本能を切除して飼い慣らすことを愛情と呼ぶのならこれ程醜いものもない。
愛とは丸く温かいものなんでは決してなく歪で欠けた不完全な不純物でしかないのだろう。

王様は愛おしそうに膝の上の猫を撫でる。
純血にしか価値を見出さない世界で彼女は退屈そうに欠伸をした。