聖者だというのならどうぞその羽を切り落としてください。
優しいだけの虚像を抱いて祈って縋って死んでください。

優しすぎる救世主様。
どうか何も忘れることなくすべてを無に帰してください。
忘れることは罪です。忘れないことも罪です。
つまり、わたしとあなたは出会ってはいけない物語だったのです。

(いつかきみもおれをおいていってしまう)
(しっていたよ そんなこと)

その心臓は甘い甘い毒の味がしました。