あなたの世界はきっと色がなくてモノクロなんだと思う。
緑の箱庭と13の極彩色だけが、あなたの世界に色づくものなのだろう。
ぼくの気持ちは恋とか愛とかそんな柔らかいものじゃなくて、
神を信仰するに近い、気高くて純粋なものでなくてはならなかった。はずなのに。

銀色の狐は囁くのだ。
「鳥籠の鍵は開いているよ。」

白い悪魔は唆すのだ。
「殺してしまえばいい。」

鬼の子供は笑うのだ。
「あなたが、望むなら。」

ぼくが望んだことは神を飼い慣らすことに等しい。



(世界を殺して神になる日)